天然の木材で味のある手元(柄)に【手元職人】

あきざくらの日傘の手元(柄・持ち手)は、天然木材を曲げたものにこだわっています。
大切なお着物を日傘にした時に、見た目が着物の高級感や品を更に高めてくれることと、実用的にも手に馴染みやすく温かみを一層感じられる素材だからです。
使えば使うだけ、ご自身の手にあった形の手元に育っていきます。
 
特に、こだわりを持ってご用意しているのは、こちらの檜(ヒノキ)の手元です。
 
こちらの檜の手元はお客様からご要望があったことがきっかけで、曲げの職人さんに特注で製作して頂きました。
 
 
檜を英語で言うと、「hinoki」や「Japanese cypress」です。
つまり、檜は日本の木なのです。
 
更に、全国神社の本宗である伊勢神宮は総檜造りですが、20年に1度の式年遷宮の時、役目を終えた檜の古材を「撤下古材」とし、全国の他の神社の修繕や災害にあった神社の修理に使用しています。
つまり、あきざくらが大切にしている「Re(リ)」を実践している木でもあるのです。
 
檜の手元は、「Re(リ)」の文化を広めたいあきざくらの日傘にぴったりだと考え、手元のラインナップに加えることにしました。
 
 
ただ、入手しようとしたところ、檜の手元はどこの傘工房・手元屋さんでも扱っていませんでした。
曲げの職人さんに問い合わせたところ、返ってきた回答は、「部材(檜の枝)がないから作れない」。
檜の枝を曲げるのは難易度が高く、生産性が低いため、部材も用意しておらず通常製作していないと判明したのです。
 
・・・「だったら、檜の枝調達してきます!」というところから始まった、『檜の手元製作プロジェクト』。
一部始終を下記に写真と共にご紹介致します。
 
 
「檜の枝調達してきます!」と言ったものの、檜のあては全くありませんでした。
しかも、用意する必要がある檜の枝は、【切ったばかりの生木を皮を向いて、1ヶ月乾燥させたもの】。
難易度高しです。
そこで、友人たちに上記の条件に合う檜の枝のあてはないかと相談したところ、 森・山林の整備、管理等をされている、森と踊る 株式会社様がちょうど東京都の高尾で檜の伐採をやっているから、枝取りに来てもいいよと言って下さり、高尾まで伺うことになりました。
 
 
こちらが、 「森と踊る 株式会社」様が所有する森を外から見た風景。
 
入り口はこちら。ここから坂道を5分程登ります。
 
檜が出現。
木漏れ日がとっても気持ちよかったです。
更に檜のいい香りもたまりませんでした。
 
伐採している箇所です。
 
社長の三木さん。
あきざくらの日傘を持って笑顔。お茶目な方です。
 
長さ50cm程度、直径2〜3cmの檜の枝の部分を切って頂きました。
最初から曲がっていると曲げられないとのことで、なるべくまっすぐな枝を選びました。
 
その場で皮むき開始です。
檜の枝を採りに行ったのは2017年9月でしたが、すでに檜は冬支度を初めてしまっており、皮が剥きにくい状態でした。(人間が寒いと縮こまるように、木も寒くなると皮がぎゅっと縮こまるのです。)
そのため、小刀を使って甘皮も含めて剥いていきました。
 
皮を剥きながら、森と踊る 株式会社の中嶋さんとお話していたのですが、檜の幹の部分は様々な方法で活用されているものの、枝はこうやって使われなければ、土に還すだけとのこと。
いつか土に還るにしても、育った命を日傘の手元として活用することでスポットを浴びれれば檜も喜んでくれるのでは?と勝手ながら感じました。
 
これは、檜の梢(幹の頂点)の部分です。
幹はまだ冬支度が進んでおらず、皮が面白いほどスーと向けました。
来年以降も檜の枝を用意する必要があるなら、皮が剥きやすい春頃枝を採りに伺おうと決意。
 
3、4時間かけ、なんとか全ての枝の皮むき終了。
 
檜の枝を入手出来たことで、代表山村、満面の笑み。
フードを被っているのは、蚊対策です。この日靴下を履いていたにも関わらず、足は10箇所以上蚊に刺されました。
終始楽しかったものの、そこだけが無念。
 
山に沈もうとしている夕日もとても綺麗でした。
その後、7本の枝を持って電車に乗る姿は、何度か2度見されることになりましたが。。。
 
 
持って帰ってきた檜の枝は、山村宅のベランダで1ヶ月間陰干し。
暴風雨だと雨に濡れてしまうベランダの仕様のため、天気予報とにらめっこの日々。
 
 
1ヶ月後、乾燥期間が終了したため、手元屋さんに持参した檜の枝です。
乾燥したため、生木の時より細くなり、手元屋さんに「これは手元にするには細すぎる」と言われる枝もありました。
写真の1番左が、太いから男性用の手元に、真ん中5本は女性用の手元に、右2本は細すぎると言われた枝です。
 
更に最初から言われていた事ですが、檜の育成環境によって手元にできる枝と出来ない枝があり、今回の檜が手元にできるかどうかはやってみないとわからないので、曲がらない可能性があると、改めて念を押されました。
 
ここで本当は曲げの職人さんの作業風景をお届けしたいのですが、曲げの職人さんは大阪におり、更に直前まで入院されていたため、作業現場に伺うことは叶いませんでした。
曲げの職人さんは80歳過ぎとのこと。
奥様には、もう引退したら?と言われているものの、体が動く限りは続けたいと頑張ってらっしゃるそうです。
ちなみに、曲げの職人さんも今はもう片手で数えられるぐらいしかおらず、みなさんご高齢。
曲げの技術が日本に残るか残らないかの瀬戸際まできているのが現状です。
 
前置きが長くなりましたが、この時の檜の枝は、曲げられる枝だったようで、無事下記のような檜の手元が完成しました!
一番右が男性用、他が女性用。焼きも入っています。
なんとも味がある手元です。
 
檜の手元に関しては、次に製作出来るのが来年春以降となりますので、今ご用意しているものがなくなり次第、一旦終了となります。
貴重な檜の手元をご希望のお客様は、お早めにご注文下さいませ。
 
曲げの職人さんの体調が完全に復活し、曲げの現場を拝見させて頂けることになりましたら、またその様子はレポート致しますので、楽しみにされていて下さいね。