日傘のお手入れ方法

こちらのブログでは、着物をリメイクして製作した日傘のお手入れ方法についてご紹介してまいります。
 
お手入れというより、
“日傘を育てる”
そんな感覚で日傘と共に大切な時間を過ごして頂きたいとあきざくらは願っております。
 
ぜひ、長く大切に使って頂くために、参考にされて下さいね。
 
 
ー目次ー
1 着物リメイク日傘の黄ばみや汚れ、シワを防ぐためのお手入れ
 1.1 帰宅したら日傘全体をチェック
 1.2 風通しのよい場所で陰干し
 1.3 埃や空気中の汚れ、シワ対策
 1.4 きれいにたたむ
2 着物リメイク日傘にシミが出来てしまった場合
 2.1 まずは応急対処
 2.2  化粧品・インクなど(油性のシミ)のシミ抜き
 2.3  お茶やお酒・調味料など(水性のシミ)のシミ抜き
 2.4  チョコレート・バター・マヨネーズなど(油性と水性が混ざったシミ)のシミ抜き
 2.5 泥汚れの対応
 2.6 シミ抜きでやってはいけないこと
 2.7 不安ならクリーニング業者など専門店へ
3 着物リメイク日傘に修理が必要になった時
 3.1 生地が破れてしまったら
 3.2 傘骨が破損してしまったら
4 着物リメイク日傘の保管方法
 4.1 湿気や虫対策ができるところに保管
 4.2 使用頻度によって虫干しをする
 
 
着物リメイク日傘の黄ばみや汚れ、シワを防ぐためのお手入れ
日差しが強い季節になり、昨年買ったお気に入りの日傘を出してきたら黄ばんでいた。
そんなご経験はありませんか?
 
これは、日傘に空気中の埃がついてしまっている状態でたたんだ時、使用時との温度差で湿度が発生し、酸化黄変してしまったことが原因です。
また、空気中の汚れが染みついた日傘は、酸素と化学反応を起こし変色して黄ばむともいわれています。
それだけでなく、空気中の排気ガス等の油分をが付着して、だんだん黒っぽくなってくことも。。。
 
せっかく、大切な着物を使って、世界に1つだけの日傘を製作したからには、なるべくきれいな状態で長く愛用したいですよね。
あきざくらの日傘は長く使って頂くために、撥水・撥油加工は施しているので、ちょっと手を抜いたぐらいでひどい汚れになってしまうということはありませんが、それでもしっかりお手入れするとしないとでは大違いです!
 
以下に、日傘を使用した時の毎回のお手入れのしかたをご紹介します。
 
 
帰宅したら日傘全体をチェック
家についたら、まずは日傘全体をチェックし、汚れや破損などないか確認します。
使っている時には気づかなくても、改めて見ると汚れていたなんてこともありえます。
もし、汚れや破損があったらすぐに対応することで、シミが残ったり、破損が広がるなどのリスクを最小限に抑えることができます。
破損があった場合は、あきざくらで修理を承っておりますので、お問い合わせフォームよりご相談くださいね
 
 
風通しのよい場所で陰干し
日傘全体をチェックし、何も問題なければ、風通しのよい場所で広げた状態で陰干しします。
直射日光を当ててしまうと、着物生地が変色してしまうので、日光の当たらない場所で干して下さい。
日傘 陰干し
 
 
埃や空気中の汚れ、シワ対策
黄ばみの原因の1つ、埃や空気中の汚れ。
絹の着物をリメイクした日傘は、水に弱いので水洗いはオススメできません。(※1)
ブラシを使って、ブラッシングで落としていきます。
 
ブラシは、豚毛やカシミヤなどの着物用のブラシがベストですが、なければ、ベルベットやビロードなどの布や化粧用パフでも大丈夫です。
ちなみに私が活用しているのは、豚毛使用のこちらのブラシです。
着物 ブラシ
 
着物 ブラシ
 
また、手元の部分は、手垢や汗汚れをタオルなどできれいに拭き取ってあげて下さい。
 
変なシワがついてしまった場所は、アイロンでのばすという方法がないわけではないです。ただ、金銀の糸や金箔部分は、アイロンには向かないですし、生地自体もアイロンの熱で変色する可能性もあるので、リスクがあります。
やむを得ずかける時は、必ず「当て布」をして、生地の裏側からかけるようにして下さい。
不安な方は、最初から専門家に相談されるのが1番です。
 
 
※1  綿や麻の着物をリメイクした日傘は、素材としては水洗い可能ですが、水洗いすると摩擦や洗剤によってあきざくらが施した撥水・撥油加工が薄れる可能性があるのでご注意下さい。
 
 
きれいにたたむ
着物生地でつくった日傘が、なるべくシワにならない、傷みづらいたたみ方を動画でご紹介致します。
これは、帰宅した時だけでなく、外出中屋内に入る時もぜひ実施されて下さいませ。
この方法でたたんでいれば、変なシワもつきづらくなります。
 
 
 
着物リメイク日傘にシミが出来てしまった場合
シミは放置すれば放置するほど、落ちにくくなってしまいます。気づいた時点で、早めにそのシミにあった対処をするようにして下さい。
 
 
まずは応急対処
何かアクシデントがあり、日傘に汚れがついてしまった場合は、まず応急処置として、指先やハンカチの先で汚れをはじいて落とします。
その後シミが広がらないように、ハンカチで汚れを吸い取るようにして下さい。
 
 
化粧品・インクなど(油性のシミ)のシミ抜き
化粧品・インクなど油性のシミだった場合は、生地についたシミの下にハギレなどの布を敷き、白の綿のガーゼにアルコールかベンジンを染み込ませておきます。
シミの上からガーゼをトントンと優しく叩いて、布にシミを移していきます。
 
  
お茶やお酒・調味料など(水性のシミ)のシミ抜き
お茶やお酒、調味料など水性のシミだった場合は、生地についたシミの下にハギレなどの布を敷き、食器用の中性洗剤を水で15倍に薄めたものをシミの上にたっぷりと含ませます。
シミの上から歯ブラシや白い綿のガーゼで、トントンと優しく叩いて、布にシミを移していきます。
 
 
チョコレート・バター・マヨネーズなど(油性と水性が混ざったシミ)のシミ抜き
油性と水性が混ざったシミの場合は、油性のシミ抜きをした後に、水性のシミ抜きをしていきます。
 
 
泥汚れの対応
水分を含んでいる場合は触らずそのまま陰干しします。
完全に乾いたときに、ブラシで払って下さい。
 
 
シミ抜きでやってはいけないこと
大切な日傘だからこそ、汚れてしまったら慌ててしまうかもしれません。
しかし、シミ抜きと思ってやったことで更にひどい状態になってしまうこともあります。
下記3点は絶対にしないようにお願いします。
 
1、シミをこする
生地に摩擦を加えると生地が痛み、シミが取りにくくなってしまいます。
必ず、優しく叩くようにして下さい!
 
2、おしぼりでシミを吹く
結構やりがちなこちら。お店の方も良かれと思って差し出して下さることもありますが、これはNGです!
レストランなどのおしぼりはアルコールなどの薬品が含まれていることがあり、変色の原因となります。応急処置は持参したハンカチ、もしくは乾いたナフキンを使用するようにして下さい。
 
3、熱を加える
たんばく質のもの、例えば、血液や卵、乳製品、肉汁などは、熱すると固まってしまいます。
基本シミ抜きは水を使用し、お湯は避けた方がよいです。また、きれいにシミが取れてない状態で、アイロンやドライヤーは使わないようにして下さい。
 
 
不安ならクリーニング業者など専門店へ
上記、シミ抜きの方法をご紹介しましたが、不安な方は応急処置だけして早く専門店に依頼することをオススメします。
間違った方法でケアすると、色が抜けてしまったり、生地にダメージが加わったりと、取り返しのつかないことになってしまう恐れがあるからです。
 
「また新しい日傘を買えばいい」とはいかない、思い出のつまった着物をリメイクした日傘だからこそ、無理せず専門店にお任せして下さい。
もちろん、専門店といっても仕上がりにバラつきがあることは否めませんので、信頼している着物が得意な業者さんがあればそちらへ。思い当たるところがなければ、着物好きのお友達にオススメの業者さんを聞き、そちらにお願いするのが良いかと思います。
 
 
着物リメイク日傘に修理が必要になった時
大切に使っていても、アクシデントがあって破損してしまうことはあります。
自宅ではどうしようもない破損だった場合の修理についてご紹介致します。(修理は別途費用が発生致します。)
 
 
生地が破れてしまったら
何かに引っかかって、生地が破れてしまったら、あきざくらにご相談下さい。
お客様のご要望と日傘の状態を踏まえて、1度傘骨から生地を取り外し、縫い合わせた箇所をほどいて、破れた部分だけ違う生地にしたり、違う着物生地を使って張り直したりさせて頂きます。
 
 
傘骨が破損してしまったら
骨の部分含め、ロクロやハジキなどどこかしらが破損してしまったら、どこがどう壊れてしまったか添えてご相談下さい。
もし一箇所の修理という形で対応できる状態でしたら、直してお返し致します。
また、もし修理が難しい状態でも、生地の方の状態次第では、新しい傘骨に今までの生地を取り付けて日傘にすることも出来る可能性があります。
お客様がどうされたいか次第で、なるべくご希望に添える対応をさせて頂きますので、お気軽にご相談下さいね。
 
 
着物リメイク日傘の保管方法
涼しくなってきて、日傘を使う時期が終わった時の日傘の保管方法についてご紹介します。
日常使い同様(それ以上に慎重に)、汚れのチェックや、陰干し、埃汚れ対策、たたみ方をした後長期保管するようにして下さいね。
 
 
湿気や虫対策ができるところに保管
どこに保管するかはとっても重要です!
絹は、湿気や水分を寄せつけやすい特徴があるため、保管を粗雑にしていると、生地がたるんだり、縮んだり、カビが生えたりと色々なトラブルが起きてしまいます。
また、一緒に保管するもの次第では、虫の被害に合う可能性もあります。
 
もしご自宅に、着物を入れる桐タンスがあれば、そちらに一緒に保管することをオススメします。桐ダンスは、通気性が良いのです。
桐ダンスがなければ、保管場所に湿気を防ぐために乾燥剤を入れて下さい。
 
桐ダンスでもそうでなくとも、着物専用の防虫剤を入れると、虫の被害を防げます。
この時、いろんな種類の防虫剤を入れたり、日傘に直接触れる場所に置くのはNGです!!変色や劣化の原因になってしまいます。
 
定期的に虫干しをする
10月にしまって、4、5月に取り出して使用するにしても、7、8ヶ月保管することになります。
その期間しまいっぱなしにするのではなく、最低1回、可能なら定期的に虫干しをすることをオススメします。虫干しすることで、カビや変色、害虫から日傘を守ることができます。
もし1回行うなら、寒干しと呼ばれる、1月下旬から2月中旬あたりがちょうど真ん中ぐらいになります。
 
虫干しは、晴天がしばらく続いた乾燥した日に、4時間 程陰干しすれば大丈夫です。その時に、シミや変色、虫食いがないか確認されて下さいね。
もし、これらを見つけたらすぐに対処することで、被害は最小限に抑えられます。
 
 
ちなみに、冬の期間、上記のように保管するのもいいですが、あきざくらとしオススメなのは、インテリアとしての活用。
お部屋に華を添えるアイテムとなります。
 
例えばこちら。
 
リビングに飾れば、その日傘を見るたびに思い出が蘇ります。
もちろん写真のように、床の間に掛け軸の代わりに飾っても、お客様との会話の話題になること間違いなしです!
 
せっかく、タンスに眠らせていた思い出の着物を蘇らせたので、1年中活用して頂けるときっと着物も喜ぶと思いますよ。
 
 
以上、着物リメイク日傘のお手入れ方法をご紹介してまいりました。
あきざくらは、どんどん新しいものを買える金銭的な豊かさより、大切なものを大切にできる心の豊かさこそ、これからの時代幸せに生きるために必要なことだと思っております。
普段便利さを求めていると、一見めんどくさく感じるかもしれませんが、その一手間に時間をかけていると、便利とは違った価値を感じて頂けるはずです。
 
お客様の中には、あきざくらの日傘を「我が子」と呼んで、一緒に楽しいひと時を過ごして下さっている方もいらっしゃいます。
ちょっと手のかかる子ほど可愛い♪そんな気持ちでお手入れに時間をかけてみてはいかがでしょうか。