
これぞ職人技!数ミリの差で張り感が変わる着物アップサイクル日傘♪
こんばんは!
あきざくら代表の山村沙世子です。
現在とあるテレビ番組取材のため、各種調整や制作スタッフの方とのお打ち合わせを進めております。
諸々確定したらまたお知らせしますので、楽しみにしていて下さい^^
そのお打ち合わせの中で、
「職人さんの技術が一番見えてくる工程はどこですか?」
といったご質問を頂きました。
この質問、私にとっては結構難しいんですよね。
傘作りの工程は、あきざくらのウェブサイト内のPROCESSのページにも写真と共にご紹介していますが、
・お客さまのご希望も踏まえつつ、該当の箇所を生地の伸縮に合わせたサイズ感で裁断すること
・縫い代を調整しながら、8枚のパーツを縫い合わせて、傘カバーを作り上げていくこと
特にここが、「傘の張り感」という点の美しさが問われる工程であり、職人技が求められます。
ただ、この作業自体は見る人が見たらすごいけど、素人が見ても凄さが伝わらないんじゃないかと思ってまして。。。
例えば、『米粒に「山村」とペンで名前を書いてもらう』だったら、書いている風景を撮れば(顕微鏡でアップで撮影)、素人が見てもそれだけですごいって思いますよね。
でも傘の場合、職人さんが長年の感覚で数ミリ単位で裁断の大きさを変えたり、縫い代を調整して縫っていても、それだけでは伝わらない。
伝わらないけど、ここが本当にとっても重要なんです!!
以前制作して頂いた傘の写真を使って、数ミリ単位の差がどれだけ重要かご紹介しますね。
千葉在住の斉藤様から、こちらのお着物から折りたたみの日傘をご依頼頂きました。
お客様とのお打ち合わせ後、工房にお客さまのご要望を伝えて制作スタートして頂いたのですが、1度制作段階で見せて頂いた時に、違和感を感じたのです。
「あれ?いつもと傘の張り感が違う?」と。
その時の写真がこちらです。
↑特に中心部分が弛んでいるのが写真でもわかりますよね。
理由を確認したところ、あきざくらでいつも制作して下さっている熟練の職人さんが、生地の伸縮に合わせて裁断まで終わらせたのを、人材育成のため、一般の普通の傘製作は出来る若手職人さんに縫製をやらせたとのことでした。
私としては、職人業界がどんどん人材不足になり、日本の傘製作の技術が未来に継承されるのかと危惧していることもあり、職人技が受け継がれて欲しいので、若手の職人さんにはどんどんチャレンジして欲しいとは思っています。
ただ、お客様に提供するレベルという点で、いつもの職人さんに再度縫製のし直しをお願いし、お客さまにはいつもの張り感の傘をご提供出来ました。
それらがこちらです。
こちらの張り感は、やはり美しいですよね^^
着物生地での傘は、他の生地と違って縫製の時の縫い代数ミリの違いがここまでの張り感を変える、難易度の高い品なのです。
うちの職人さんレベルでどんな生地でも美しい張り感を出せる職人さんはもうほとんどいないと思ってます!(普通の傘用の生地ではしっかりとした傘が作れる職人さんはまだまだいらっしゃいます。)
取材でも、この職人技の凄さをしっかり伝えられるように、準備を進めたいと思っております。
そして、大切なお着物だからこそ、しっかり作ってくれるところに任せたいと思ってらっしゃる、着物アップサイクルの日傘制作を考えてらっしゃる方は、ぜひcontactよりお問合せください。
あきざくらで美しい逸品に仕上げさせて頂きます^^