
思い出の着物をリメイクする方法
こちらのコラムでは、あなたの大切な思い出の着物をリメイクする方法についてご紹介してまいります。
ぜひ、捨てる以外にどんな選択肢があるか、ご覧下さい。
Contents
着物をリメイクする準備
着物をほどく
着物のすごいところは、ひとつの反物から直線裁ちで裁断し、すべてのパーツをほぼ直線で塗っていることです。
つまり無駄な布地がないのです。
図であらわすと下記です。
ー着物の各部の名称ー

(『彩りの花ごろも』引用)
ー反物の裁断図ー

「自然の恵である貴重な絹を無駄のないよう使う」という古来日本人の知恵が詰まっています。
洋服が人それぞれの体に合わせて作るのに対し、着物は着る時にその人の体に合わせる衣服です。だから、母から娘へ、娘から孫娘へと継承が可能になります。
話を着物のほどきに戻りますが、1つの反物を直線裁ちで裁断し、ほぼ直線で塗っていることから、仕立てられた着物をほどくと、また一枚の布に戻ります。

(実際にほどいた着物の一部)
つまり、リメイクするのにとても適した素材なんです。
もちろん、使用頻度や保管状況によって、シミや汚れ、虫食いや日焼けなどもありますので、まずほどく前にどのぐらい使える布地があるかはチェックが必要です。
ほどき方はシンプルで、糸切りバサミで縫い糸を切っていくだけです。
えり先や身八つ口、袖つけなどはとめ糸がしっかりしていることが多く、その部分は布地を切らないように慎重に切るのがポイントです。
また、留袖などで刺繍が多い着物ですと、その部分の縫い糸も切るのが難しいので要注意です。
慣れにもよりますが、2時間〜4時間ぐらいで1枚の着物がほどけます。
布地を洗う
ほどき終えたら、布地を洗います。
多くの着物は絹でできています。
もし、着物や絹の扱いに慣れておらず、絹を自分で洗うのが不安な方は、着物の状態の時にクリーニング屋などの専門店に相談することをオススメします。
間違った洗い方をすると、色落ちしたり、縮んだりと、着物を痛めてしまう可能性があります。
自宅で手洗いする場合は、まず衿の部分などで試し洗いして問題ないか確認して行なった方が安心です。
手洗いの方法は、中性洗剤を入れたぬるま湯に浸け、手早く押し洗いしたら2、3回すすぎ、絞らずに手で押さえるようにして水気をとります。
そして、シワを伸ばして、ハンガーなどにかけて陰干しして下さい。
生地が生乾きの時に、裏側からか、あて布をしてドライアイロンをかけます。
濡れていないとアイロンをかけてもあまりシワはとれません。
布地の傷んだ部分をチェック
最後に再度布地の状態を確認します。
製作するものによってどのぐらいの布地を使うかも変わりますし、布地の劣化具合(糸が弱っていたりします)によっては、作らない方がいいアイテムもあります。
大切な着物をリメイクして
唯一無二のドレスに

こちらの写真の和ドレスは、仲良くさせて頂いている八王子のアリアンサさんで着させて頂いた和ドレスです。
ここまで豪華なドレスは、いわゆる「着物(長着)」を使うのではなく、「打掛」という現代では結婚式で花嫁さんが着たりしている着物で製作されています。
↓が打掛です。

アリアンサさんのドレスも、結婚式や、ミスコンなどに出場する時など、特別な時に着る方が多いとのことです。
打掛は、刺繍も豪華に入っていたり、生地も厚手なので、裁断や縫製の難易度が高いです。
もし、打掛をお持ちで何かにリメイクしたいなら専門家にお任せすることをオススメします。
また、ここまで豪華なドレスでなければ、長着の着物を使ってのリメイクも可能です。
↓着物からもこういうドレスができます。

(『エンゼルクローズ』HP引用)
留袖や振袖、訪問着などで作ると華やかなドレスになります。
ロングドレスは、着物一着使っての製作となりますので、もしシミや汚れがあると公の場に着づらくなり、製作しても活用できなくなってしまいます。
シミや汚れのチェックは事前に念入りにする必要があります。
着物からのドレスも、縫製の技術があれば製作は可能でしょうが、そうでないならプロにお任せした方が自信を持ってパーティーなどに着ていけるのではないでしょうか?
ドレス製作は、お店によって様々な価格帯がありますが、10万円前後のところが多いようです。
普段から着られるワンピースやスカートに
上記のドレスより、もう少しカジュアルなつくりで製作すれば、ワンピースになります。
↓例えばこのようなもの。


これらは、あきざくらの商品も取り扱って下さっている、アマルフィーさんの「弥生」というブランドのワンピースです。
ノースリーブのワンピースであれば、着物生地の半分ほどあれば製作できます。
生地の素材によっては、着物だけでなく帯からもワンピース製作は可能です。
ちなみに、アマルフィーさんでは、ワンピースだけでなく、スカートやパンツ、ブラウスやベスト、ジャケットまで製作しています。
思い出の着物を普段使いのファッションアイテムにしたい方は、上記のようなリメイクされてみてはいかがでしょうか?
ワンピースやスカートも、プロに頼んだ方が確実にクオリティが高いものが出来上がりますが、本屋さんに行けば型紙付きの着物リメイクガイドブックなどが販売していたり、ネットで型紙を検索すればいくつか出てきます。
もし、縫製に自信があれば、それらの型紙を使っての製作も可能です。
ただし、「下手に着物を洋服にリメイクするとダサくなる。」とおっしゃる方は多いです。
洋服へのリメイクは、技術だけでなく、着物生地の柄をどういかすかのセンスもポイントになってきます。
もしプロにお願いするとしても、そのお店さんの製作事例を確認して自分のセンスに合うプロを選ぶことをオススメします。
洋服へのリメイクも、 お店によって様々な価格帯がありますが、5万円前後のところが多いようです。
部屋着として着れる作務衣に!
更にカジュアルに。家でゆったりする時にお召しになれるものにリメイク希望でしたら、作務衣がオススメです。
↓例えばこのようなもの。
現在あきざくらでは、作務衣へのリメイクも承っております。
上下作るためには、着物1枚分は必要です。
また、女性用のお着物から男性用作務衣も制作可能なのですが、その場合体格にもよりますが着物2枚を合わせることになります。
先日は、先立たれた奥様のお着物を2枚使って1枚の作務衣にしたいという旦那様からご注文承りました。
部屋着だからこそ、女性物のお着物からの作務衣でも抵抗なくお召しになれるようです。
また、袷のお着物、単のお着物で、完成品が多少変わってきます。(袷のお着物からの作務衣は、こちらも裏地付きになります。)
価格もお着物によって多少変わりますので(1万円〜3万円)、作務衣へのリメイクをご希望の方はこちらのお問い合わせフォームより、お使いになりたいお着物の種類を記載の上お問い合わせ下さいませ。
帯や着物を使ってバックに
着物の帯は、様々なバックにリメイクできます。
こちらの写真のバックは、あきざくらでプロデュースさせて頂いたお客様の思い出の帯で制作したトートバックです。
帯地なのでしっかりしており、たくさんモノを入れたいというお客様のご希望を叶えたA4サイズが楽々入るトートバックです。
またこちらは、お客様が日傘を制作した残りの生地で制作をご希望されたスマホショルダーです。
一緒にハンカチ、ティッシュ、鍵、小銭入れが入るものをと言うことで、形や大きさをお客様と一緒に決めて制作しました。ちょっとしたお出かけにぴったりなバックです!
帯バックを製作しているブランドさんとは何人か仲良くさせて頂いていますが、みなさんおっしゃるのが、バックのクオリティは、素材である帯選びが重要なポイントになるとのこと。(お客様の帯ではなく、自社で帯を仕入れてバックを製作する場合)
柄や、シミ・汚れの状態によって、大きめのバックと小さめのハンドバックの2点セットや3点セットが作れるものもあるようです。
ブランドさんによって、バックの形が違いますし、また柄のとり方もそれぞれのセンスが光っていますので、どちらでリメイクして頂くかは、ご自身がどのようなバックにしたいかを踏まえて選ばれることをオススメします。
ちなみに、刺繍ががっつり入った帯は、家庭用ミシンで縫おうとすると、針が折れるので、自宅でのリメイクは控えた方が良いです。
危険です!!
着物の生地よりちょっと厚い名古屋帯でトートバックを作るぐらいでしたら、家庭用のミシンでも大丈夫ですので、その場合は本やネットで型紙を探して手作りしてみるのも楽しいです。
バックのリメイクは、バックの大きさにもよりますが、小さいものだと数千円、大きいものだと 5万円前後のところが多いようです。
あきざくらでもバックへのリメイク承っているので、ご希望の方はこちらのお問い合わせフォームより、どのようなバックをご希望か記載の上お問い合わせ下さいませ。
日常的に楽しめるキャップ
アウトドアを楽しむ時にも和のオシャレを取り入れたい!そんな方は、着物生地を使ったキャップを作ることも出来ます。


こちらのキャップは、あきざくらプロデュースでお客様のお祖母様の形見の着物帯で製作させて頂いたものです。
光の加減でちょっと暗くなっていますが、実物はもっと金糸の帯らしくキラキラしてました!!
ちなみに、お客様からキャップは製作出来ないか?とご相談頂いて工房を探したのですが、工房探しで1番大変なのは、1つ2つというロットで製作してくれるところを探すこと。
やはり、ロット数多くないと作ってくれないところばかりで、唯一小ロットでもいいですよと言って下さるところと提携できたので、今後キャップのご依頼も受けれるようになりました!
キャップも、ご自身で作ろうとすると中々ハードルが高いものですので、専門技術を持つ方にお願いすることをオススメします!
あきざくらでは、製作料13,200円(税込)で着物からのキャップ製作承ります。(仕様によっては追加料金が必要な場合もございます。)
思い出のお着物でキャップの製作ご希望の方はこちらのお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい♪
アオザイやチャイナドレスにすることも
実はあきざくらの出発地点は、着物リメイク日傘ではなく、着物リメイクアオザイだった可能性がある!?というぐらい、ご縁があるアオザイにも着物からのリメイクは可能です。

(http://blog.livedoor.jp/kolo_china/ 引用)
ということで、形が似ているチャイナドレスへのリメイクも可能です。

(http://blog.livedoor.jp/kolo_china/ 引用)
私は何度か、チャイナドレスでパーティーに参加したことがありますが、着物と同じぐらい「素敵なドレスですね。」と、衣装をきっかけに声をかけて頂くことが多く、自分から声をかけるのが苦手な人見知りにはぴったりな衣装だと感じています。
他国の民族衣装にすることで、その国に行く時に着ればいいコミュニケーションのツールにもなりますよね。
自分では着物の着付けができず、着物をパーティーで着ていくのはハードル高く感じている方はチャイナドレスやアオザイにリメイクしておけば、簡単に着用出来るのでオススメです!
(・・・本当は、着付けを習得し、着物でハレの場に行くのが1番声をかけて頂きやすいですし、声をかけて頂いた後もその着物の思い出(お婆ちゃんから受け継いだなど)の話やお相手の方の着物の思い出などで会話がはずむので、オススメなのですが、ハードルが低いところから挑戦して頂くのが1番です!)
アオザイやチャイナドレスも、ワンピースと同じで、クオリティを求めるならお店にお願いした方が確実ですが、本やネットを参考に自宅ミシンでも製作できなくはないので、製作を楽しみたい方はぜひ手作りをチャレンジしてみてください。
1枚のアオザイやチャイナドレスを作るのに、着物一枚が必要です。もしお店に頼む場合は、こちらもお店にもよりますが5万円以内で製作してくれるところが多いようです。
贈り物にも最適な扇子に
夏の必需品「扇子」。持ち歩いて気分をあげるのもよし。お部屋に飾ってお部屋を華やかにするのもよし。柄にもよりますが、1枚のお着物で10本程度制作できますのでご自身用だけでなく、プレゼント用にもオススメです。
2019年からあきざくらでも扇子の製作・販売を始めましたが、お母様の思い出のお着物から、ご自身用・お母様用・お義理母様用の製作の依頼を頂いたり、亡くなったお母様のお着物から、ご自身用・ご姉妹用・お父様用の製作を頂いたりと、思い出を共有するために製作を依頼されることが多いです。
思い出のお着物で扇子の製作ご希望の方はこちらをご覧下さい♪
また、着物は持っていないけど、着物で製作した扇子にご興味ある方はこちらからお好みの扇子をお選び下さい。
コーディネートのポイントになるアクセサリー
大きなものにリメイクした後、出てくる端切れ。これも捨ててはもったいないです!!
ハギレを使ってアクセサリーを作ることができます。


この2つのアクセサリーは、仲良くさせて頂いているマリエフルリールさんの着物リメイクのアクセサリーです。
ちょっとしたピアスやイアリングにしても、お顔周りを最高に華やかにしてくれるリボンや髪飾りにしても、かわいいですよね。
コーディネートのちょっとしたアクセントになります。
他にも、ネックレスや髪留め、ブローチなどにしているブランドさんもあります。
日常使い用なのか、ハレの日用なのかと、用途によってどんなアクセサリーがいいか考え、ご自身に合うブランドさんを選ぶことをオススメします。
手芸を楽しみたいなら、キットを買ってきて自分でリメイクすることも可能です。
プロのクオリティにはかないませんが、愛着がわくアクセサリーが作れます。
もしお店に頼む場合は、小さいものだと数千円、大きく華やかなものだと1、2万円程度で製作して頂けます。
着物の端切れで小物づくり
アクセサリーだけでなく、端切れでは様々なものが作れます。
例えば、スマホケースや、コースター、ブックカバー。
また、こんなものも。

(『浅草たつみや』HP引用)
こちらの写真のタンブラーは、リメイク品ではないですが、私もファンである浅草たつみやさんの「着物タンブラー」です。
西陣織の帯をタンブラーの中に入れて販売しています。(写真のタンブラーは、14,040円)
中紙を自由に入れ替えが出来るタンブラーは売っているので、ご自身の着物をこのようにタンブラーに入れて日常使いしたら使うたびにテンションが上がりそうですね。
小物へのリメイクも、本やネットで作り方が載っているので、手作りを楽しんでみて下さい。
着物リメイクで作る「日傘」
着物を日傘にリメイクするメリット・デメリット
あきざくらでは、着物リメイクの選択肢として、「日傘」をご提案しています。
ここからは、なぜあきざくらが着物リメイク日傘を提案するのか、どのように日傘を製作しているのかをご紹介します。
あきざくらが考える着物を日傘にするメリットは、2つあります。
1つ目は、『シミや汚れで着物としては残念ながら活用できなくなってしまった物でも日傘に出来る』です。
過去日傘にリメイクさせて頂いた着物でこんな着物がありました。

赤の訪問着です。
前身頃の花がとっても綺麗で、華やかなお着物です。
しかし、前身頃をよく見てみると、、、

いくつかシミが付いているのがわかるでしょうか? 訪問着という、ハレの場に着ていく着物なのに、1番華があるところにシミがついていたら、ご招待下さった方に失礼になってしまいます。
つまり、着物としての寿命を終えた着物でした。
この着物を日傘にリメイクしたのがこちらです。
袖や後身頃の柄を使って製作し、とても華やかな日傘になりました。
日傘は、柄やシミや汚れの散らばり方にもよりますが、着物の40%残っていれば、製作することが可能です。
しかも、40%のみの使用なのに存在感は大きいのが日傘の特徴です。
シミ、汚れで諦めていた着物があれば、ぜひ日傘にすることをご検討下さい。
2つ目のメリットは、『実用的に日傘として持ち歩くことと、お部屋のインテリアとして飾ることの両方ができる』です。
洋服やアクセサリーのように、お出かけの際に身につけることで、オシャレを楽しむことが出来るのは女性にとっては嬉しいですよね。
世界に1つだけの一点物の日傘になるので、「それ、どこで買ったの?」や「着物に合う日傘いいわね。」など、お友達にも注目してもらえます。
ウエディングなどのハレの日に、お母様やお祖母様の着物をリメイクした日傘を持って式を行なったり、撮影しても、より思い出深いイベントになります!
お客様の中には、海外出張の時の文化交流のためのアイテムとして使って頂いている方もいらっしゃいます。

(こちらは、お客様がシドニーにて撮影された写真。掲載許可を頂いております。)
そしてそれだけでなく、お客様をお迎えする応接間や、毎日使うリビングに飾ることで、世界に1つだけのインテリアになります。

この写真は、床の間の掛け軸を外して、日傘を飾ったお部屋です。
日傘が青だったこともあり、お部屋にいると宇宙にいるように感じました。(宇宙には行ったことはありませんが。。。)
このようにインテリアにすれば、お客様がいらっしゃった時に話題になりますし、日々の生活でもインテリアの日傘を見るたびに、着物を残してくれたお祖母様やお母様の思い出が蘇ったり、いつも見守ってくれているような感覚になります。
着物を日傘にリメイクするメリットだけではなく、デメリットもお伝えしておきます。
もし、リメイクしようとしている着物が、着物としてたくさんご愛用頂いて劣化が激しい状態なら、日傘にして何度も開いたり閉じたりを繰り返しているうちに、生地が伸びてしまい傘としての張りがなくなり、つゆさきという傘の先が骨からとれやすくなってしまいます。 (ちりめんなどもともと伸縮性がある素材は特に)

(イメージ図)
日傘にリメイクすることで、開くたびに布地にテンションがかかることが要因です。
あきざくらでもお客様から日傘にしたいとご相談頂いた時に、布地の状態を見てお断りさせて頂いたり、製作後のリスクをお伝えした上でお受けしたりしております。
とはいえ、もともとは、絹は強靭性や弾性に優れた素材です。
劣化していない布地でしたら日傘にするには向いているのでご安心下さい。
ご自身のお持ちのお着物が日傘に適しているかは、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
ちなみに、ワンピースや小物のように、着物リメイクの日傘も、自宅での製作も出来なくはありません。
あきざくらの日傘の試作品一号の日傘も、手芸用品店のユザワヤで購入した「日傘用キット」を使い、縫製会社で縫製の仕事をしたことがある方にお願いして製作しました。
こちらの日傘です。

あきざくらとしては、試作品1号であることからとても思い入れが強く、お気に入りの日傘です。
しかし、もしリメイクを考えてらっしゃる着物がとても大切なお着物で、リメイク後も長く愛用したいなら、自宅での日傘製作はオススメ出来ません。
この試作品1号の日傘も、写真をよくご覧頂くと気づかれると思いますが、傘骨が風車のように全体的に左にうねってしまっています。
縫製の技術はプロフェッショナルでも、傘の製作の技術がないと、このように綺麗な張りにはならないことが多いのです。
傘職人さんの技術のすごさは、こちらのページをご覧頂ければご理解頂けるかと思います→PROCESS
また、ユザワヤの傘骨も、「傘作り自体を楽しむ」には適しているかと思いますが、中棒である木棒が合板から作られたものであることや、骨の状態を見ると、耐久性という点は不安が残ります。(この試作品1号も、軋む音にドキドキすることも。。。)
実用的な日傘として長く使うことや、張りも柄も美しく仕上げインテリアとしても活用したいと考えてらっしゃるなら、素材づくりから傘作りのプロフェッショナルにお任せすることをオススメします。
日傘になるまでの工程①
それでは、着物を日傘にリメイクする工程をご紹介します。まずは他のリメイクアイテムと同様に、着物の洗いとほどきを行ないます。あきざくらでは、ほどいた後、クリーニング業者に、クリーニングと撥水・撥油加工、黄変防止加工を施してもらっております。
その後、傘職人さんのところに布地を持って行き、柄合わせの打ち合わせをし、製作に取り掛かって頂きます。
職人さんの日傘づくりの工程はこちらのページに詳しく写真付きで掲載していますが、ここでも簡単にご紹介しますね。
まず行なうことであり、傘作りにおいてもっとも重要な生地の裁断。

ここが傘の張りと柄合わせの肝となります。

生地の伸縮性によって、どの木型を使うのかを判断します。更に木型を厚紙で太くしたり、1度切った布をズラして切って細くしたりしながら、最適な形にしていきます。
それだけでなく、完成した時の柄合わせも頭で描きながら、着物の元の柄を最大限生かして切っていきます。

例えばこういう振袖の場合は、どこを切り取るかで日傘の顔が全く変わってきます。
こちらは白のお花でまとめた日傘。

こちらは、対面する柄を可能な限り揃えた柄。
日傘の柄は、おまかせでも、使いたい柄をご指定頂く形でも製作しています。お客様からのご要望を踏まえつつ、日傘にするからこそ映える柄合わせもご提案させて頂いております。
日傘になるまでの工程②
布の裁断後ポイントとなる工程は2つ。
布同士を縫い合わせる縫製と、つゆさきの縫い付けです。


縫い代を何ミリにするか、どの位置につゆさきをつけるかを、布の状態によって変えていきます。
ちなみに、傘専用のミシン(上糸だけのミシン)を使っているため、日傘を何度も開閉しても、縫い糸が切れにくくなっています。
プロフェッショナルにお任せすることで、見た目はもちろん耐久性にもすぐれ、大切な着物をリメイクした日傘を長く愛用して頂けます。
あきざくらの想い
ここまでで、着物リメイクの可能性は感じて頂けたでしょうか?
あきざくらは、思い出のつまった大切なお着物をタンスに眠らせていたり、捨ててしまったり、二束三文で売ってしまってはもったいないと考えています。
それは、もちろんお蚕様が命をかけて吐き出してくれた糸である絹を、粗末に扱って欲しくないという、自然環境を考えた想いもあります。
しかし、それだけでなく、物が溢れている現代こそ、そばに置いておく物は何か思い入れのある物にすることで、心の豊かさが生まれるのではという想いがあります。
お祖母様やお母様から受け継いだ着物、嫁入り道具として両親が揃えてくれた着物、若い頃買って数回着たけど今は色が合わなくなってしまって着ていない着物。
それぞれに思い出が詰まっているはずです。
その思い出を、ご自身の今のライフスタイルに合った形で残すことで、お金では買えない価値を手に入れることが出来ます。
着物リメイクという選択肢を持つことで、ぜひご自身の生活をより豊かにして頂ければ幸いです。
日比谷花壇様で着物リメイクさせて頂いた様子を記事にして頂きました。
具体的にあきざくらにご依頼頂くとこういう流れというのがわかるかと思いますので、ぜひご覧下さいませ。
■大切な遺品の着物をリメイクする 〜 新たな形にして受け継ぐ方法 〜
ご相談は、電話・メール・LINE@にて無料で承っておりますので、ご検討段階の方もお気軽にお問合せ下さいませ。
電話:050-5215-1304
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